【チエルアルコは流星の】について
この記事は、シャニマスにおける【チエルアルコは流星の】のコミュを読んで、これはヤバいとなり書いているものです。
(チエルアルコは、その内容の凄さから多くの人に考察しつくされてると思うので、ぼくなんかが考えたことをダラダラ書く必要もないかなとも思ったのですが、ぼく個人で強く思うところがあったので、本記事を書くことにしました.........と言おうと思ったのですが、書いている途中で考えていた着地点が違うなと思い、しかし長文を書き殴ってしまったのでせっかくだから投稿するものです。ただただこのコミュについて語っているものになっています。)
では、まず、コミュのあらすじについて。
読んでない方でネタバレが苦手な方はご注意ください。
このカードは以下の3話にて構成されます。
1. 『異邦の青、浮遊する』
めぐるは、映画に出演することになっていたが、脚本の修正により演じる予定だった役がなくなってしまい、その映画に出演する話がなくなってしまう。
めぐるが演じる予定だった役は『大正時代の日本にやってきた、大人しくて喋るのが苦手な青い目の女の子』
2. 『同調の水、されど』
外出中に寝癖に気づき、そのことを気にするめぐる。
鏡代わりに近くのお店の窓に近づくと、そこはアクアリウムショップだった。
そこでめぐるは、水槽の色鮮やかな熱帯魚の中に、他の魚とは違う色の魚を1匹見つける。
仕事が終わったらその魚を購入するためにもう一度来よう。と提案するプロデューサー。
またあとでね。とめぐる。
映画のめぐるの役について、プロデューサーから監督に再度交渉し、やはり駄目だったが、別の役(主人公の親友役)をめぐるにやって貰えないかと言われたとのこと。
その役を頑張りたいと申し出るめぐる。
その日も寝癖があったが、プロデューサーの指摘に対して、気にするほどじゃないよねと返すめぐる。
ひととおりサラッとコミュを読むと、
めぐるは、元気で明るく場を盛り上げる女の子というイメージが強いので、元気なめぐるにも考えたりする一面があるんだなぁ。という印象を受けるものです。
ではそれぞれのコミュの内容について。
1つ目のコミュ『異邦の青、浮遊する』
役を失うという重い始まり方です。(最初読んだときはこういうコミュもあるのかとびっくりしました。)
めぐるが演じるはずだった、『大正時代の日本にやってきた、大人しくて喋るのが苦手な青い目の女の子』について、
プロデューサーは「めぐるとはちょっと違うタイプの子だよな」と言っています。
これに対してめぐるは「やっぱりそう思う?」と返し、以下のとおり続けます。
「この子はね、いつもひとりで空を見ているんだよ」
「台本を読んでいたら、この子に...なにか声をかけてあげたくなって」
「わたしもこの子が見てた空のことをずっとずっと考えてたんだ...」
しかし、かけてあげる言葉は見つからないまま役も失ってしまいます。
「やっぱりそう思う?」という発言には、そのままのとおり、めぐる自身が青い目の女の子に対して共通するものを感じていたことを指していると予想できます。
そのため、めぐる自身が『ひとりで空を見上げている』ときは誰かに何か声をかけて欲しいと思ったことがある経験(若しくは現在そう)からか、『声をかけてあげたくなった』のだろうと思います。
2つ目のコミュ『同調の水、されど』
冒頭の寝癖が気になるめぐるは、小さな悩み事も気になってしまう心理状態等を指しているのかと思います。
水槽の中に一匹だけ色が違う魚を見つけ、
めぐる「すみっこに隠れて、なんだかひとりぼっちみたい」
P「寂しそうに見える?」
めぐる「私には分からない。この魚の気持ちはこの魚にしか分からない。もしかしたら、自分も他の魚と同じ色だったらって思ってるかも。」
めぐる「だけど、でも、だから...」
言葉が詰まり、自分でもなんと言えばいいか分からなくなるめぐる。
真に迫ったような会話です。普段の明るく元気なめぐるからは想像できず、初見ではびっくりしました。
他のコミュなどから、クラスメイトや友達を大事にしていることが分かり、他者との関わりの中で存在するという印象が強いめぐるが、水槽の中のひとりぼっちで泳いでいる魚に対して言及していることに対する意外性もありました。
その後、プロデューサーがこの魚を飼ってあげるかと提案し、めぐるは、
「(飼うなら)いろんな魚と泳がせてあげたい。この水槽以外の水槽もあるって教えてあげたい。」
この水槽(現在いる自分が排他されたコミュニティ等)以外にも、いろんな人、いろんな場所が存在するんだよって、教えてあげたかったのかなと思います。
そして去り際に、その魚へ一言。
「大丈夫...きみの色は、とっても綺麗だよ」
ここで、1つ目のコミュで演じる予定だった女の子と2つ目のコミュの一匹の魚、そしてめぐるについて考えると、
演じる予定だった女の子
・青い目(舞台が日本なので他の人と違う色)
・いつもひとりで空を見上げていた(異邦の出のため、他者と打ち解けられていない状態、若しくはそれについて悩んでいる状態)
一匹の魚
・他の魚と色が違う
・ひとりぼっちで泳いでいる
めぐる
・アメリカ人と日本人のハーフで青い瞳
青い目の女の子にかけてあげる言葉を考えていたり、魚が自分も他の魚と同じ色だったらって思ってるかもと発言していたり、めぐるが普段にない様子だったことから、
めぐるは、青い目の女の子や一匹の魚に自分と似たようなものを感じているんだと思います。
ここから、めぐるもハーフや青い目という個性を理由に小中学校等でひとりぼっちだったり悩んでいたりしたのかなとも予想できます。
しかし、それらを前提によくよく考えると「魚の気持ちは分からない」というめぐるの発言は衝撃的なものです。
なぜなら、めぐるが過去に何を経験したのかは分かりませんが『他者の気持ちは分からない』という確固たるものがめぐるの中にあるとすると、
友達を大事にしていたり、青い目の女の子にかけてあげる言葉を必死に考えていためぐるが矛盾するように感じたからです。
他者の気持ちは考えても分からないのに、どうしてそこまで青い目の女の子がかけてほしい言葉を考えられるのか。
しかし、めぐるというのはそういう人物なのかなと自分の中で結論がつきました。
最初1つ目のコミュを読んだときは、めぐるはハーフでハブられてたから今は友達をたくさん作ってぼっちにならないようにしてるんかなーと軽く考えてしまっていた自分もいたのですが(ごめんなさい)、
他者が思っていること全ては分からないけど、出来る限り寄り添って相手への言葉を考えてあげる。それがめぐるという人間の本質で、友達が多くなった要因なのかなと。
いろんな魚と泳がせてあげたい。この水槽以外の水槽もあるって教えてあげたい。というめぐるの発言は、
自分にもその魚のような頃はあったけど、イルミネや学校の友達と出会えて、いろいろな経験をしてきたことを指しているんだと思います。
青い目の女の子の役を演じることはなくなりましたが、主人公の親友という『元気な役』を演じることになります。
元気というめぐるの『個性』が活きる配役ですね。
青い目の女の子に対してめぐるは、
「いまはもう、あの子にかけてあげる言葉が見つかったから...」
(めぐるが見つけた言葉は、めぐる自身にしか分からないものですが、個人的には、魚に言った「大丈夫...きみの色は、とっても綺麗だよ」に類する内容かと思ってます。)
そして、めぐるが綺麗な空だと空を見上げてながら、
「すごいね。色って、心で見てるんだね」
「わたし、この鮮やかな空を みんなに見せられるようになりたいなあ」
心臓が止まりそうになりました。
『同じ空でも、心の持ちようによって見え方が変わる』
その考え方、そのものが素敵だなって思うとともに、
鮮やかな空を見せたい、つまりファンや他者の心を晴れやかにしたい、元気付けたいと考えるめぐるが本当に素敵だなと思いました。
青い目だとか、他の魚と色が違うだとか、個性は考え方次第で長所に成り得、
悩んでいるときに気になった寝癖も元気なときは気にならない。
心の持ち方が物事の価値を定義するんだなって。
めぐるが言い切ったように『他者の気持ちは分からない 』
でも、相手を元気づけたり、楽しませたりすることで、
相手が見る色は鮮やかになるのかな。
めぐるが個性を活かして今では友達がたくさんいるように。
八宮めぐるちゃんは、他者に寄り添って考えることができ、鮮やかな色を見せてあげられる、素敵な子です。